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水月

 

あの遠くで光る月に君は恋をしたんだね

叶わないとわかっていながら

そんな君を好きになった僕は

君の願いなら全て叶えてあげたかった

 

悩む僕に優しく微笑みかける君の瞳には

僕が映っているのに

僕を映していなかった

 

僕らが本当に欲しいモノは

いつも手に入らずに

遠くで輝いてる

 

想い出は眩しすぎて

振り返ることができない

 

結局僕は何もできずに

「行こうか」と言うだけで精一杯で

君は僕の声が聞こえていないのか

ずっと空を見つめていた

 

僕はその場にしゃがみ込んで

湖に石を投げた

 

「ポチャン」と音がして水月が揺れた

音に気づいて君は湖を見た

水面(みなも)に映る月は儚く揺らめき

君を惑わせる

 

僕は湖に飛び込んだ

君は驚いて目を見開く

僕は構わず

君にかけた

月の雫を

 

君は何が起きたかわからずに呆然としていた

しばらくして君は笑い出した

その時初めて

君の瞳に僕が映った

 

 

 

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