生命(いのち)

 

桜の舞い散る季節

ああ

あの桜のように

春風に揺られて飛んでいけたらいいのに……

でも私は生きているから

自分の足で歩かなければいけない

 

海が輝く季節

ああ

あの波のように

寄せては引いて、引いては寄せて

ずっと変わらずにいられたらいいのに

でも私は生きているから

変わらなくてはいけない

立ち止まってはいられない

 

紅葉が紅く色付く季節

ああ

あの紅葉のように

時間の流れと共に変わっていけたらいいのに……

でも私は生きているから

自分の意思で変わらなくてはいけない

 

雪の舞い落ちる季節

ああ

あの雪のように

とけて消えてしまえればいいのに……

でも私は生きているから

消えられない

私が生きている限り

 

桜が咲いて

海が輝き

紅葉が色付き

雪が舞い落ち

また桜が咲く

季節は繰り返す

なんどもなんども同じところを回ってる

でも私は生きているから

前に進まなければいけない

私が生きている限り

 

でも桜だって

紅葉だって

ううん

それだけじゃない

きっと

波だって

雪だって

みんな生きてる

散ってしまっても

ずっと同じ場所にいても

とけて消えてしまっても

みんな生きてる

 

桜も紅葉も

いつか散って

腐って

栄養になり

新しい花を咲かせる

 

雪はいつかとけ

水になり

雲になり

また雪になる

 

波はいつまでも

気の遠くなるような時間を

ずっと

ずっと

揺られてる

いつまでも……

 

みんな生きてる

だから私も

生きていく

途中で躓いても

消えてしまいたくなっても

自分の足で立ち上がり

前に進む

生きている限り

私は歩き続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

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