星になった君
君は冬が好きだった
星が綺麗に見えるからって
僕にはあまり見えなかったけど
コンタクトは怖いし メガネは君が笑ったから
隣に君がいない今 メガネをかけて夜空を見上げる
星になった君は僕を見て笑っているの?
目を閉じれば君は見えなくなるのに
笑い声が聞こえてくるようで
季節が変わるたび星も変わっていくのに
君の笑い声は変わらないまま
冷たい手を白い吐息で温める
手を繋いでくれる君は空に
「君に逢いたい……」
無駄だけど言わずにはいられない
こぼれたのは弱気な本音と僕の涙
君と夜空を眺めた丘に独りで来た
無数の星が輝いていて
1つぐらい落ちてくるんじゃないかって君は言ってた
首に巻いた君の編み掛けのマフラー
ハートマークが途中で途切れたままで
もう完成することはない
1年に1回だけだとしても
七夕になれば織姫と彦星は逢えるのに
僕が星になっても君には逢えそうにない
「もう1度だけでも……」
叶わない願い事を呟いて夜空を見上げる
流れたのは星になった君と僕の涙