僕らの距離

 

 

僕らがまだ一緒に机並べてた頃

 

チャイムひとつに一喜一憂してた

 

いろんなことを学んできたけど

 

学ぶ理由は誰も教えてくれなかった

 

誰もが形だけの疑問を抱き

 

誰もが答えを出さずにいた

 

 

そんな中で

 

早く大人になりたいって気持ちと

 

大人になんてなりたくないって想いが

 

僕らを歩かせたり立ち止まらせたり

 

それでも少しずつ確実に進んだ

 

 

いつしか周りにいた人とは違う道を歩き

 

君は僕の前を歩いていた

 

毎朝並んで歩いたけど

 

君は確かに隣にいたけど

 

いつも君の背中を見ている気分だった

 

 

僕らの距離は遠ざかっていた

 

 

君は手を差し伸べてくれた

 

手を伸ばせば届いたけど

 

くだらないプライドが邪魔して

 

それをさせなかった

 

 

何も得るモノなんてないってこと

 

もう解ってたのに

 

無駄な努力をした

 

 

君と一緒の道を歩くために

 

君の手を掴まなかった

 

君は少し哀しそうな顔をしてたね

 

たぶん君はわかっていたんだろうね

 

僕が何故君の手を掴まなかったのか

 

 

僕の我が侭の所為で

 

遠回りをした

 

我が侭を言ってはいけないなんてこと

 

ずっと昔に学んだことだけど

 

君は赦してくれた

 

だから

 

絶対に君に追いつくから

 

また君と並んで歩くから

 

 

桜が咲き誇る

 

僕らの距離の測定日

 

また君と歩けるようにと

 

願いを込めたお守りを持って

 

期待と不安の募る中

 

君と並んで見つめた先

 

掲示板に

 

君と僕が

 

並んでいた

 

 

 

 

 

 

 

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