赤い花
キミが泣いているのに
僕はなにもできない
いっしょに泣くこともできなくて
だから僕はナイフを手に取り
赤い涙を流した
キミが止めに入る手を振り払い
自分自身を傷つけた
そうすればキミを痛みが解ると思って
でも
キミの痛みが解るどころか
キミの傷口を広げてしまった
自分の身体をナイフで傷つけるのは怖くないのに
見えないナイフで
キミを傷つけるのが怖くて
キミを抱きしめたいのに
僕の身体に巻きついた薔薇の棘が
キミを傷つけるのが怖くて
キミの涙で育った
赤い花
キミのサヨナラの言葉で
そっと枯れた……